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極右ルペン党首、トランプ砲を賞賛「長年求めてきたもの」国民戦線とは何者か

New Statesman

類は友を呼ぶとはよく言ったものだ。あと、4ヶ月に迫ったフランス大統領選に挑むフランスの極右勢力である国民戦線の党首のマリーヌ・ルペン(正しくはル・ペンだが記事中ではルペンとさせてもらう)は次期大統領の座にありながら過度なまでの企業などへの介入や脅し、通称トランプ砲を繰り出すドナルド・トランプを賞賛した。

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トランプ次期大統領はこれまで多くの企業らに対して国境税を掛けるなどの脅し文句をお得意のTwitterを使い発信してきた。それに対して現在フランスのみならずヨーロッパの台風の目になりつつあるフランス国民戦線のマリーヌ・ルペンは「彼は私が長年求めていたものを実行しようとしている」として同朋であるトランプを賞賛した。そして、この施策などを「愛国主義であり、知的な保護主義」であると表現した。

トランプはこれまでに数度のトランプ砲を放ち、主に自動車メーカーなどをターゲットに行われてきており、アメリカに輸入される海外生産車には高額な関税を課すと牽制し、フォードはメキシコの新工場建設計画を取り止め、ミシガン州工場への投資を余儀なくされた。これまでにフォード、GM、トヨタなどが槍玉に挙げられフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は自身に批判の矛先が向く前にその脅威を排除するため、アメリカで新たに2000人の雇用を生み出す計画を発表している。

そして、そんな彼に親愛を抱くフランスの同朋マリーヌ・ルペンも現在出馬している大統領選に勝利した場合には自動車などの工業製品メーカーの生産拠点を海外から国内に回帰させる政策をとるとフランスのテレビ上で発言した。ルノーなどのフランス自動車メーカーはスペインなどでの部品生産を積極的にしている。

ただ、フランスの今回の大統領選は混迷を極めておりトランプを賞賛する勢力はルペンのみではない。現在行われている左派統一候補を選ぶ予備選でも急進左派・左翼党のメランション党首やモントブール元経済大臣らも、トランプのフォードなどに対する攻撃的な態度を称賛している。

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国民戦線とマリーヌ・ルペン

The Independent

国民戦線はフランスの極右勢力で、1972年の設立以来、反EUや移民排斥を掲げてきた。フランス人至上主義を掲げ黒人やイスラム系移民の排斥を訴えている。その党首であるマリーヌ・ル・ペンは国民戦線の創設者にして初代党首のジャン=マリー・ル・ペンの娘だが、彼はより過激な言葉を使うことが多く現在ほどの人気は獲得できずにいた。

2011年に父ジャン=マリー・ル・ペンに変わり娘のマリーヌ・ルペンが党首となると翌年の大統領選で18%近くを獲得し大躍進、その後、14年間議席を失っていた国民議会に議席を獲得するなど着実に勢力を拡大する。2014年に行われたフランスの欧州議会議員選挙で前回の選挙の331%以上の票を獲得し、全体の25%の支持を得て24議席を獲得、欧州議会におけるフランスの第1党、最大勢力となった。

マリーヌ・ルペンが党首に就任して以降は政権獲得も視野に入ってきたこともあり「移民排斥」は維持するものの支持層を拡大させるために多少の穏健路線へと切り替えた。(ただテレビで見てもわかる通り元々過激なのが【多少】穏健になっただけであるが)その路線変更の中で創設者である父ジャン=マリー・ル・ペンと娘マリーヌ・ル・ペンは対立し、彼女は反ユダヤ的発言など相変わらずのより過激な右翼的発言を繰り返す父ジャン=マリー・ル・ペン名誉党首の国民戦線の党員資格を停止し、党を除名した。その後、ジャン=マリー・ルペンは新党を結成している。

だが、2015年のパリ同時多発テロの直後に行われた選挙でテロ不安を煽り支持を取り込み第1回投票で28%の支持を獲得し13選挙区の内、6つで首位に立つと、与党社会党は強い危機感を抱き13年ぶりとなる選挙協力を行いサルコジ全大統領が率いる共和党を支持し、結果国民戦線はすべての選挙区で敗北を喫した。

現在、国民戦線は国民議会で577議席中2議席、元老院で348議席中2議席、欧州議会のフランス枠では74議席中23議席を獲得している。