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改訂版ロシア捜査最終報告書から私たちが知ったこと

Jim Lo Scalzo / EPA file

448ページに及ぶロシア捜査最終報告書(改訂版)は私たちにより多くのエピソードを与えると共に物語がまだ終わっていないことを教えてくれます。

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モラーが示した事:

  • モラー特別検察官はトランプ大統領が司法妨害を行なった可能性のある10件のエピソードに関して捜査を行なった。
  • 大統領側は直接の事情聴取を拒否し書面での回答を行なったが、大統領は回答の中で30回以上に渡り「思い出せない」、「記憶にない」と繰り返しており、捜査側は回答内容が「不十分」であると判断したが、大統領を事情聴取に召喚するには法的手続きに多くの時間が必要となるため、直接の聴取を断念した。
  • 「大統領は複数回に渡り捜査に対して影響力を行使しようとしてきたがその大部分は実行されることはなかった。それは指示を受けた彼の周りの人々が指示に従う事を拒否したり、要求を受け入れなかったからだ。」
  • ウィキリークスは民主党党大会の直前にロシアの諜報機関GRUのハッカーグループに対してツイッターのダイレクトメッセージを送り、当時の候補者であるサンダースの支持者がクリントンに付くことを阻止し、サンダース対クリントンの構図をつくり上げるために党大会までにクリントン陣営に関するEメールが欲しい、と要請した。
  • またヒラリー・クリントンに関する陰謀論の一つであるセス・リッチの殺害に関する話は「ロシアの諜報機関とウィキリークスが協力していたことを隠蔽することを目的にウィキリークス側が捏造したものであった。」と結論付けると共にウィキリークスがロシアのパススルーとしての役割を果たしていたとした。
  • モラー特別検察官はトランプ大統領の長男であるトランプ・ジュニアと娘婿のジャレッド・クシュナー大統領顧問の訴追を検討したが、その『故意性』の部分で司法省側が定めた要件を満たせないと判断し、起訴を見送った。
  • 「捜査が特定の事実について立証されなかった、とする記述はそれらの事実に関する証拠がなかったという意味ではない。」
  • 「通常の犯罪捜査では、起訴するかしないかの二択であるが、司法省法律顧問室の法解釈では現職の大統領を起訴することは彼の職務に対して不利益になる行いであり認められない、としており我々はこの解釈に従う。」とし、司法長官が述べた法律顧問室の解釈は不起訴と関係ないとする説明は過ちであった。
  • 「大統領が憲法に基づき自らの権限を行使したことにより、司法を妨害したと認定できるかどうかについては、我々は司法遂行の厳正性を守るために大統領の権限乱用を防ぐ権限は、連邦議会にあるとの結論に達した。」
  • 最後のモラー特別検察官は「大統領が罪を犯したという明確な結論はないが、大統領の完全な身の潔白が証明された訳ではない。」と結んだ。

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重要なエピソード:

  • 2016年7月、当時のトランプ候補が「クリントンのサーバーから消えた3万通のメールが見つかることを望む」と記者会見で述べた5時間後からロシアの諜報機関GRUのハッカーグループはクリントン陣営への侵入を開始した。モラー特別検察官は「一般に知られていなかった複数の陣営幹部のメールアカウントの存在をGRUがどのように特定したかは不明である。」としている。
  • モラー特別検察官の就任を聞いたトランプ大統領は大統領室の椅子に落ち込んだように座り、「あぁ、なんてことだ。最悪だ。もうこれで私の大統領生活は終わりだ。」と述べ、続けて罵倒語(Fワード)を使い嘆いた。
  • 2017年6月、トランプ大統領はドン・マクガーン大統領法律顧問に対して利益相反を理由にモラー特別検察官の解任を電話で指示した。しかし、ウォーターゲートにおけるニクソン大統領による土曜日の夜の虐殺の二の舞になると考え指示には到底従えないと思ったマクガーンはこれを拒否すると共に辞任を決めた。
  • マクガーンの件の二日後、トランプは大統領選で陣営のキャンペーンマネージャーを務めたコーリー・レヴァンドフスキを通じてセッションズ司法長官にロシア捜査の範囲を将来の選挙干渉に限定させるよう伝えさせ圧力をかけるようとしたが、レヴァンドフスキはこれをセッションズに伝えなかった。
  • 2018年1月、トランプ大統領はマクガーンに連絡しかつて彼が命じたモラー特別検察官を解任について、自身がこれを命じていなかったと嘘の証言をするよう求めた。マクガーンはこれが事実と異なるとして拒否した。

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他の物語が:モラー特別検察官の捜査の範囲は「トランプ陣営とロシアの共謀」と「トランプ大統領による司法妨害」に限定されており、その範囲外にあるとモラーが判断した14件の事案に関しては他の当局へと移されており、今後捜査が行われる。

簡潔な結論:モラー特別検察官の結論のように、物語は議会へと投げられました。それは調査を行う下院民主党が今後数ヶ月に渡り忙しい日々を過ごす事を意味します。

より深く知る:改訂版ロシア捜査最終報告の全文を読む