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ロシア人女スパイはどのようにして米国政治に侵入したのか

Reuters

最新の訴状は全米ライフル協会に潜入していたロシア人女スパイのマリア・ブティナがどのようにアメリカ政治に侵入したのかを示している。裁判所に提出された資料によるとブティナは「個人的な関係」を持つ56歳のアメリカ人男性と同居していたが、これは彼女がスパイ活動の遂行の為に必要であったために行なっていたことであり彼女自身はこの男性との同居に対して否定的な言動を行なっていたとしている。同居していたとされる男性は共和党のコンサルタントで、保守派の政治活動家ポール・エリックソンと見られる。

彼女は自身のイメージを作り上げ、周知させるためにSNSを最大限に活用していた。頻繁にツイッターやインスタグラムなどで活動し自分が銃とトランプが好きな普通のロシア人学生との印象を発信し、共和党と強いコネクションを持つNRAへの潜入を通じて様々な保守系団体やウィスコンシン州のウォーカー州知事やNRA幹部らとの接触を実現している。

2015年7月のタウンホール集会では泡沫候補の一人と考えられていた共和党大統領候補のドナルド・トランプにロシアに対する経済制裁に関する外交政策について意見を尋ねている。翌年のNRA総会ではトランプの長男のトランプ・ジュニアと会って短い雑談を交わした。

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それが示すもの:ブティナはロシア連邦中央銀行のトルシン副総裁とされるロシア政府高官の指示を受けスパイ活動を行なっていたとされているが最新の訴状はそれをより明示的なものにしている。彼女はオンライン・メッセージを通じて前述の人物の指導・監督を受けており、2016年大統領選投票日には「もう寝ます。こちらは午前3時。新しい命令を待っています。」などと両者の関係性を示すようなメッセージを送っている。ロイター通信によると彼女は頻繁にロシア諜報機関のエージェントと連絡を取っていたことも分かっている。ブティナは2011年にトルシンに特別補佐として雇われている。

ロシアの後ろ姿:当局は彼女が「ロシアの諜報機関の人間と考えられる人物と接触していた」ことを明らかにしている。彼女はKGBの後継組織であるFSの人物の連絡先を持っていた。また、彼女は捜査の一環としてFBI捜査官による監視を受けていた(もちろん本人は知らない)今年3月にサウスダコタ州でロシアの外交官と見られる人物と個人的な昼食会を行なっており、訴状にはその時に捜査官により撮影された写真が掲載されている。

より多くのこと:ワシントンポストによるとブティナは現地時間日曜日に首都ワシントンで逮捕されたが、彼女はその時点で既にアメリカを離れる準備を終えようとしていた。彼女のアパートには荷物を荷物を詰め込んだダンボールで満たされ、彼女の預金はロシアへ移されていた。

現在のブティナ:彼女は自身がアメリカ人と債権の形成に興味があるただの学生だと主張し、容疑を全面的に否定している

そしてこれから:では、なぜ彼女を直接監督したとされるトルシン副総裁は起訴されなかったのでしょうか。CBSニュースはこの判断はロシア疑惑捜査を管轄するミュラー特別検察官が彼女を自らの側に引き入れることでトルシンや彼女と関係していたロシア政府関係者の更なる情報を得ようと考えているからだと消息筋の話として伝えた。

アップデート:文中でブティナが協会関係者に対して協会内での役職と引き換えにセックスを提供した、との記述がなされていましたが、検察側がこの主張を押収された彼女のメールの誤読によるミスであったとして取り下げたことを確認しましたので、本記事においても正式に削除致します。(2018.12.15)