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「暗闇の中では民主主義は死んでしまう」ワシントン・ポストの新スローガン

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ジェフ・ベゾスが所有するワシントン・ポストの新たなスローガンは正に現在、アメリカ、そして世界が立たされている困難な時代を表していると言えるのだろう。

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トランプ政権の発足から1ヶ月を迎えたこのほど、アメリカのワシントン・ポスト紙は自社のウェブサイト上で「Democracy Dies in Darkness(暗闇の中では民主主義は死んでしまう)」という新たなスローガンを発表した。今後は同紙の紙面上などでも掲げられていくとみられる。

まだ、発足1ヶ月?多くの人はそう驚くだろう。私にはまるで数年間を詰め込んだような、良い意味ではない内容の詰まった日々だった。(中身は空っぽだったが。)

だが、困難な時であってもまだ希望の持てる話題がないとは言えない。トランプ政権の誕生以降、これまで多くの「悪意のある」新興ニュースサイト(いわゆる民間によるプロパガンダ・サイト)などで誤った情報を受け取っていた人々、あるいは普段からニュースにお金を払ってまで向き合うことをしていなかった人々は「正しい情報を求めて」信頼できるジャーナリズムを求めている。それは、ニューヨーク・タイムズでありウォール・ストリート・ジャーナルでありワシントン・ポストである。ワシントン・ポストは今年1月に9840万人が閲覧し、前年同期比41%の増加だ。2016年第4四半期の電子版購読者27万6000人増加した。(2013年、14年の2年間に増えた合計より多い。)紙の購読者も2011年以来、初めて増加し電子版+紙は合計で300万人を突破した。

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知とは権力

確かに多くのメディアは大きな困難に直面している。紙の新聞は売れない時代に突入し、それを埋めるだけのデジタル収入を多くのメディアは確保できずにいる、それはワシントン・ポストも例外ではない。メディアの収入の低下はいずれジャーナリズムの質の低下を招く恐れがある。私たちがメディアにお金を払うということはそれはただ単に情報の取引(売買)なのでなくメディアに対するある種の投資である。より良い情報を得るためにはメディアの記事に対してお金を払い、より良いジャーナリズムに投資しているのだ。

メディアというのは暗闇の中の灯り(ライト)である。私たちがライトなしに暗闇を歩くことは困難だ。ライトが私たちがどこを歩き、その先にどのような道が広がっているのかを教えてくれる。暗闇の中では私たちは目の前に段差があることや、1歩先にあるかもしれない崖に気付かずにいる。ライトが私たちの足元を照らし、私たちが物事を理解し判断するに足る機会を与えてくれる。

健全な民主主義には報道、メディアの存在が不可欠だ。最大の権力は「知」であり「知ること」だ。それはかつて権力者が本を独占していた時代に活版印刷により民衆に知が解放されたように、「知る」とは権力なのである。私たちはその権力を以下に行使していくのか、あるいはその権力を放棄するのか、その選択があなたにも迫っている。知とは権力であり、灯りなしに暗闇を歩くことはできない。