なぜトランプ大統領はFBI長官を解任したのか

Onebox News·

Business Insider

トランプ大統領はFBIのコミー長官を解任した。擁護するのはバノン首席戦略官が会長を務めたブライトバートなどの右派系やメディア王ルパート・マードック氏傘下のウォールストリート・ジャーナルの社説欄くらいで大半が批判する状況だが中には今回の判断を擁護する人もいる。それはトランプ大統領が解任の理由としてあげた「ヒラリー・クリントンのEメール問題での対応の過ち」だ。しかし、思い出して欲しい。選挙戦終盤、FBIが一度は問題ないとしたクリントンのEメール問題を再捜査するとした時に彼はそれを賞賛している。

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大統領の判断を擁護するのであれば「なぜこのタイミングなのか」という最大の問題点に答える必要がある。大統領が言う理由が本当ならばコミーはもっと早くに解任されていたはずだ。FBIが訴追を求めないという判断をし、捜査を終了させたのは大統領選が終わる前の11月だ。トランプは大統領選に勝利した後にコミー長官と会い彼を賞賛している。であれば、なぜ今になってこの話を持ち出してきたのか。

だが、疑問の答えに繋がりそうな一つのヒントとしてはコミー長官は今回の解任の数日前にロシアの選挙制介入捜査の資金を増額させるように司法省に求めていたことだ。今回この解任を進言したのは司法省トップのセッションズ司法長官であり、彼はこの問題の疑惑の渦中にいる人物の一人だ。(その利害関係を避けるためセッションズはこの捜査には関与しないことになっていた。)

このタイミング、状況下(ロシアの選挙戦介入捜査中)での解任は多くの人々が自身に抱く疑念が一層強まることになるのは大統領本人も理解していたはずだ。ホワイトハウスは今回の突然かつ大きな判断に対して依然、十分な説明をしていない。そこにこそ最大の問題がある。新たなFBI長官探しはセッションズ司法長官が主導するとされ、民主党や共和党のマケインらは「独立した捜査機関が必要」だと訴えている。

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  • 大統領の主張する解雇理由:「ヒラリー・クリントンのEメール問題での対応での過ち。」としているが十分な説明はない。この解任をコミーFBI長官はロサンゼルスで行った職員向けの演説をしていた最中に自身の後ろで流れたニュース速報で知った。
  • コミー側が考える解任理由:今回の解任理由を「コミー長官がトランプ大統領に対して一切の個人的な忠誠を約束しなかった。」と「大統領選挙でトランプ陣営がロシアと結託した可能性についてFBI捜査に本腰を入れていた。」の2点だとコミー側は考えている
  • FBI長官の独立性:1908年の創設以来その100年以上の歴史でFBI長官がクビになったのは1度しかない。全米にまたがり重大な犯罪を捜査をするアメリカ唯一の機関であるFBIのトップは特定の政党や大統領に左右されず大統領に対して「個人的な忠誠」を誓うこともない。捜査の中立性を担保するために任期も10年と長く政権交代にも左右されない。だからこそ今回の解任が持つ意味は大きい。
  • 重大な事実:コミー長官は解任される数日前に、ロシア政府による米大統領選介入疑惑の捜査に割り当てる資金を大幅に増やすよう司法省に対して求めていた。そして、その司法省のトップは今回の解任の進言を行ったセッションズ司法長官である。セッションズは今回のロシアの選挙介入でロシア幹部に接触した疑いを持たれている人物。
  • 問題点:現在、FBIはコミー長官をトップに2016年大統領選でのトランプの選挙陣営の幹部らがロシアと接触した疑惑を含むロシアの大統領選介入問題を捜査している。その真っ只中での解任はトランプ大統領による捜査妨害を目的とした判断と見られても仕方がなく、ホワイトハウスも今回の解任理由について十分な説明が出来ていない。

NOW WATCH:カメラのいないホワイトハウス記者会見