定額制音楽配信サービスにPandoraがやって来る

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Pandora

スポティファイやアップル・ミュージックがしのぎを削る定額制の音楽配信サービスに「あのパンドラ」がやって来る。それは長年待ち望まれてきたスポティファイの代替となりうるのだろうか。

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アメリカ最大のラジオ型音楽配信の「Pandora(パンドラ)」(ティッカー・シンボル:P)は新たに「パンドラ・プレミアム」と呼ばれる月額10ドルで楽しめる定額制の音楽配信サービスの提供を開始することをアナウンスした。このパンドラ・プレミアムにはパンドラがラジオ型音楽配信で培ってきたラジオ的な要素を兼ね備えている。(音楽の発見という分野で成功を収めたパンドラはそれをパンドラ・プレミアムにも導入することで他者との違いを鮮明にしようとしている。)ラジオ・サービスでは最初に再生したアーティストや楽曲に基づいて、リスナーが好きそうな似たテイストの曲が再生される。

他の定額制の音楽配信サービスと同様にプレイリストも作成出来るが後発でもあるパンドラはそこに新たな風を吹き込もうとしている。このプレイリストがユニークなところはまず最初に1つから2つの楽曲をプレイリストに選ぶと、そこからパンドラがリスナーの好きそうな曲、類似した曲を自動的に見つけ出しリスナーは「類似した曲を追加」というボタンをタップするだけでプレイリストが出来上がる点だ。パンドラ曰く「最初の3、4曲を選ぶことは楽しいが、それ以降は仕事にすら感じられる。」という考えからこれまでパンドラがラジオで培ってきた「新たな音楽の発見」を定額制の音楽配信サービスにも持ち込んだ形だ。(スポティファイ利用者の私もプレイリスト作成は5曲を超えると結構しんどい。一応、スポティファイにも似たような機能はあるが。)

また、ランニングなどのアクティビティーや気分、パーティーなどに応じてリスナーに合ったプレイリストを作成してくれることもできる。

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毎週、リスナーに合わせて作られるおすすめリスト

そして、スポティファイを利用している人にはおなじみであろうブラウズをパンドラは「新しい音楽と出会う為の家」と定義している。ブラウズでは毎週、あなたのためだけのおすすめリストを作ってくれる。それは他のサービスのようにいま人気の曲だけをおすすめしてくるような既存のサービスとは異なったアプローチだ。(実際、私もスポティファイのブラウズを訪れるのは集中したい時にインストゥルメンタルのアルバムを流す時くらいだ。最近の主流の音楽に興味のない人間にとっては最新のヒットソングは大して価値を持たない。)

スポティファイが目指しているのは「常に最新の曲を提供する」という事ではない、それは現在のアップル・ミュージックやスポティファイがとっている独占配信競争などとは異なる。あくまで「リスナーに合った曲を提供する」事なのだ。それはテイラー・スウィフトの最新曲がどこよりも早く届く事や、ジェイZのニューアルバムが独占配信されるよりか多くの利用者にとっては価値のある事だと思う。

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フィルタリングで、よりスマートな検索

パンドラのいうように確かに数千万という膨大な楽曲の海の中から自分が本当に探しているものにたどり着くのはそんなに簡単ではない。パンドラの検索ではフィルタリング機能を搭載した事により、あなたが探している曲に関係のない条件の曲を検索の対象から外す事でより探しやすくなるという。

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楽曲によって変化する背景

パンドラ・プレミアムは明らかに買収したライバルのRdio(2015年11月買収)からインスピレーションを受けている。つまり非常に美しいということだ。(また、こんな形で再開できる日がくるとは思わなかった。)面白いことに聞いている曲のアルバムのアートワーク(いわゆるジャケ写)に応じて背景が変化する(しかも動的に。)という。

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後発ならではの違ったアプローチ

他の定額制の音楽配信サービスとパンドラが異なる最大の点はやはりラジオ型音楽配信の時から一貫してきた「新しい音楽との出会い」だろう。実際、このパンドラ・プレミアムでも最大のセールスポイントは「音楽発見機能」だ。気付けば定額制の音楽配信サービスでも同じような曲を永遠とループしていることもある。

正直、熱心な人間でない限り常に自分で新しい音楽を探し続けるようなエネルギーを持ち合わせた人はいない。大概の人は一度、自分の楽曲をそろえ終えると新しくやるとといえばこれまでチェックしている「既に気に入っているアーティスト」の作品を探したり、新作を追加することくらいだ。(あとたまに街角で聞いて気に入った曲をShazamで読み込んで、新しく追加して聞くくらい。)殆どの人は常に新しい曲やアーティストを探し続けるほど熱心ではない。そういう意味でいえば新しい音楽との出会い、リスナーにあった音楽を提供するという事にフォーカスしているパンドラ・プレミアムは既にこの市場のトップランナーであるスポティファイやアップル・ミュージックを脅かす可能性は十二分にあると思う。(少なくとも一定の地位は確立できると思う。)

パンドラは現在8100万人のリスナーを抱えている。今後、既存のパンドラ・ユーザーがパンドラ・プレミアムを利用する可能性は非常に高いと言えるだろう。また、これまでスポティファイやその他のサービスを使ってきた人々はこの新たなサービスに乗り換える価値はとても高いと言えるだろう。何より昨年のスポティファイのように日本にもパンドラが上陸し、この素晴らしい体験をぜひ経験していただきたい。

パンドラは今週から招待状を送るとしている。詳しくはパンドラ・プレミアムで確認してほしい

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TIPS:最近、スポティファイは有料ユーザーが5000万人を突破し、アップル・ミュージックも2016年末で2000万人を超える有料ユーザーを獲得している。当初、パンドラは年内でのリリースを目指していたが遅れた形だ。

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