AppDynamics、シスコに買収されIPOはキャンセルに

Onebox News·

Adnan Abidi / Reuters

結果としては良いディール(取引)となったのかもしれない。シスコ・システムズは公式ブログで2017年最初の大型IPOとなるはずだったAppDynamicsを37億ドル(約4204億円)で買収し、IPO(株式公開)もキャンセルする事を突如発表した。

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AppDynamicsは以前の記事で報じたようにアプリの業務監視ソフトウェアを提供する会社で2017年最初のテックカンパニーとして、また2017年最初の大型IPO(株式公開)を果たす予定だった。(同社は2016年末にIPOを予定していたがあの大統領選後の混乱を避けるため、2017年に延期をしていた。)同社はいわゆるユニコーン(プライベート・バリエーションでの評価額が10億ドルを超える企業たちのこと)の一角を占め、最後のプライベート調達では19億ドルあまりの評価額を得ていたが、今回予定されていたIPOではそれを大きく下回る15億ドル(約1725億円)となる見込みだった。

AppDynamicsはこの一年で売上を1億5840万ドル(約182億円)と前年比で54%以上も伸ばしていたが、同時に損失も拡大し9510万ドル(約109億円)という巨額の損失を計上している。また、調達する予定だった最大1億7700万ドル(203億円)も大半が債務の返済に当てられるとみられ、苦しい状況が垣間見えていた。

そういう事を加味すると今回の買収はIPOよりずっと賢明で最良の判断とも言える。買収金額は37億ドル(約4204億円)と最後の調達の19億ドルの2倍近くで、IPOで15億ドルにまで下げていた事を考えれば相当のプレミアを上乗せした取引だ。(特に財政状況の悪さなどを含めて最後の評価額19億ドルを超える事は到底不可能とみられたいた事を考えれば、素晴らしい取引なのは間違いないだろう。)

公式ブログの声明の中でAppDynamicsの最高経営責任者であるDavid Wadhwaniは今後はシスコ傘下として事業を率いていくという。(買収は第3四半期までに完了させるとしている。)製品としても成長は続けており、損失も拡大しているが収入も拡大している。大きなシスコという木の元で(財務諸表に一喜一憂せず)事業の拡大に努められる環境を手に入れられるという意味ではAppDynamicsとその社員らにとっても良い事だというのは間違いない。

そして、この2017年初のテックカンパニーのIPOと見られていたAppDynamicsは今年IPOが噂されるユニコーン(SnapchatやDropboxら)の指標になるだろうと見られたが意外な形で姿を消した。では、2017年最初のIPOを果たすのはどこになるだろうか。

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