世界は良くなっているとビル・ゲイツが信じる4つの事実

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世界最大の慈善家でありマイクロソフトの創業者でもあるビル・ゲイツと妻のメリンダ・ゲイツは自分たちが取り組んでいる問題の未来について楽観的であり、世界は確実に良くなっていると信じている。

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ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の共同議長を務めるビル・ゲイツは最近の世界の進歩に同財団の最大の寄付者であるバークシャー・ハサウェイのCEOであるウォーレン・バフェットに送るという形で2017年のゲイツ・レター(年次レター)を公開した。(バフェットは2006年に資産の大部分を寄付している。)その中でゲイツは世界は人々が思っているよりもずっと良くなっていると語っている。

ゲイツ・レターの中では多くのチャートや統計や数字などを用いて世界がいまどうなっているのかを説明しているが、その中から特に重要だと思う4つを紹介したい。

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25年で1億2200万人以上の子どもの命が救われた

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ビル・ゲイツはこのグラフを「世界で最も美しいグラフ」だと絶賛する。

そして、このグラフが世界の貧困層がどう変化していったのかを表す最も優れたグラフだ。1億2200万人、これは1990年以降に救われた子どもの数である。

1990年以降、5歳を迎える前に死亡する子どもの数は1210万人から2015年には580万人と半減している。これにより過去25年間で1億2200万人の子どもの命が救われてた。特に乳幼児の死亡数が高いのは子どもたちの多くが下痢や、肺炎、マラリアなどで死亡しているからだ。つまり、それは彼らが置かれる劣悪な環境にある。その対策は非常に安価でシンプルなものだ。井戸を掘り綺麗な水を提供し、マラリアを防ぐことだ。

ビル・ゲイツは1990年代に結婚前のメリンダとアフリカを旅行した際にこの問題を初めて目の当たりにし、結婚前から二人でこの問題に取り組んできた。

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初めて発展途上国で3億人以上の人が避妊をしている

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避妊注射は約3ヶ月も持続する最新の避妊方法だ

2016年、史上初めて最貧国69ヶ国で3億人以上の女性が避妊を行った。2億人に達するまでに何十年もかかったが、そこからさらに1億人増えるまでにはわずか13年しかかからなかったという。

ゲイツ夫妻は世界の貧困をなくすためには計画的に家族を作っていくべきだと考えている。それは先進国ではごく自然に行われているような事で、何人の子どもが欲しい。いつ頃に欲しい。そんな計画をしっかりと持つという事だ。避妊こそが最大の貧困の撲滅であると二人は考えている。

多くの発展途上国では出生率がとても高い。それは、乳幼児期に生き残れない子どもが多いからより多くの子孫を残そうとするからだ。しかし、このような状態が発展途上国の貧困の最大の原因であることは間違いない。「過去50年間で避妊方法へのアクセスを拡大せずに貧困から脱出できた国はない。」とメリンダは語る。

その負のサイクルを止める為には妊娠を目的としない性行為には避妊方法を使用し、コントロールできるようにすることが重要だ。それにより、子どもたちはより良い教育を受ける機会を得て、それにより現在よりも高い収入を得ることができ、貧困から脱出できる可能性が高まるからだ。最新の避妊方法は効果が3ヶ月持続する小さな「避妊注射」だ。夫妻は2020年までの今後3年間で避妊率が特に低い南アジアとアフリカで1億2000万人に避妊手段へのアクセスを提供する目標を立ている。だが何よりこれには男性側、特に夫からのサポートは非常に重要である。

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貧困は性差別主義者である

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これはU2のボーカル、ボノががビル・ゲイツに与えた言葉だという。社会が貧しければ貧しいほど女性の力は弱くなる。女性が行うあらゆる事は男性が決める。女性を殴ってもいいかどうかも男性が決める。極貧社会における男性の絶対的なまでの優位性は目を覆いたくなるほどのものだったとビル・ゲイツは言う。

社会の豊かさや強さというものは女性の権利の向上と比例する。女性の社会進出、権利向上無くして人類は前に進む事は出来ない。特に女性の人権が抑圧されている国の一つであるインドでは現在7500万人が自助グループに所属しているという。抑圧される現状で女性の発言力は乏しい、だから自助グループというコミュニティーを形成する事で多くの女性たちの協力と団結により発言する力を得るのである。

そして、コミュニティーによって閉鎖的な社会の中でお互いに情報を共有し合い、特に仲間を守るために団結するのだ。何より女性が男性と同じだけの機会を与えられた時には、家族や社会は今まで以上に繁栄することができる。男女平等は女性の可能性が解放するだけでなく、男性自身も解放されることとなるとビル・ゲイツは言う。

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極端な貧困は減っている、知っている人は1%

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150年間上昇し続けたのち、1970年からは減少している

極端な貧困とは1日1.90ドル未満で1820年から1970年までの150年間は増加の一途を辿っていた。1970年には20億人あまりの人々が極端な貧困状態にあったとされる。

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だが、極端な貧困は過去25年間で7億500万人と半減している。これはこれまで私たちが抱いていた考えを一変させるに足るものだが、その事実を知っているのは全体の僅か1%に過ぎず、12%は貧困が25%以上は減少していると考え、18%は変わっていない、70%以上の人は貧困は増加していると思っている。つまり、99%の人々は現在の世界の貧困状況を把握できていない。

イギリスのエコノミスト誌によると極端な貧困で生活をする人々は2030年までに殆どいなくなるとしている。

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魔法の数字

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ビル・ゲイツは自身が知っている限りで最高の魔法の数字で手紙を締めくくるとしている。それは『ゼロ』だ。ビル・ゲイツ夫妻が目指す世界はあらゆるものをゼロにするためである。それはマラリアでありHIVであり、栄養失調である。メリンダはそこが慈善事業とビジネスの最大の違いだと強調する。ビジネスは留まることを知らない数字の絶対数を追い求めるものであり、慈善事業はゼロというそれ以上にない数字を追い求めるものだと。そして、ビジネスと違いゲイツ財団がいらない世界が来るほど素晴らしいものはないとメリンダは言う。(つまり、全ての健康や貧困が解消された世界の訪れこそが財団がいらなくなる時であるからだ。)

そして、現在ポリオについてはこの魔法の数字「ゼロ」に最も近づいているとゲイツは言う。1970年代の後半にはアメリカで消えたポリオは、1988年に世界的な撲滅キャンペーンがスタートした時、その件数は35万件に達したが、昨年は37件にまで縮小している。その37件もナイジェリア北部とアフガニスタン、パキスタンの一部であるが、紛争が続くこの地域での予防接種は未だ危険が伴うという。だが、もし紛争地域が安定をする兆しを見せるのであれば予防接種の機会を提供することが可能となり、今年、人類は最後のポリオが消える瞬間を目撃する事となるだろうとゲイツは言う。

しかし、マラリアはポリオ以上に困難であり、栄養失調は健全な性活動以上に難しい。だが、ゲイツはそれでも「私は楽観的です。」と語る。

「ポリオはすぐに過去の歴史となるでしょう。私たちが生きている内にマラリアは終わり、エイズで死ぬ人も、結核にかかる人もいない時代が来ます。全ての子どもに必要な栄養が与えられ、発展途上国における子どもの死は先進国における子どもの死と同じくらい稀なものになるでしょう。」

ゲイツは言う、世界は間違いなく良くなっているのだと。

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