世界最小のオーケストラ ELOの魅力に触れる10曲

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Electric Light Orchestra

世界最小のオーケストとして1970年に結成され、最高のメロディーメーカーと呼ばれたリーダーであるジェフ・リンの元で数々のヒット曲を生み出し、一時代を築いた(70年代で最も多くのヒット曲を持つバンド)エレクトリック・ライト・オーケストラ。時代を経ても輝き続ける、彼らの様々な曲の中から、今回は『ワンボックス・ニュースが選ぶ世界最小のオーケストラ、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)の魅力に触れる10曲』を紹介したいと思う。

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Mr. Blue Sky

Out of the Blue (1977)

最初の1曲は10曲に含んでいないが、まずは聞いて欲しい。おそらく多くの人が知っているであろうELOの最もよく知られた1曲である。日本でもキリンビールやスズキのCMなどにも使われていた。また、2012年のあのロンドンオリンピックでもエリック・アイドルの登場と共に流れ、UEFAチャンピオンズリーグの決勝でも使われている。2017年2月現在ではスズキの「スペーシアZ」のCMにも使われている。

この曲はアルバム「オーロラの救世主」のためにスイスの山中に籠っていた時に「2週間ずっと暗くて霧がたっていて僕は何も閃かなかった。突然、太陽が輝きだして、わぁ、なんて綺麗なアルプスだろうと思い、僕は次の2週間でミスター・ブルー・スカイと他13曲を書きあげたんだ。」とジェフ・リンはBBCのインタビューで話している。

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10538 Overture

The Electric Light Orchestra (1971)

1972年に発売されたELO初のシングルで、この曲は2作目で早くも脱退した奇才ロイ・ウッドが深く関わっている一曲でもある。(作詞/作曲はジェフ・リンだが実質的なロイ・ウッドとの共作)映画が好きな人なら「アメリカン・ハッスル」で知っている人もいるかもしれない。曲名の10538は元々曲名に数字を使いたいと考えていたジェフ・リンがレコーディング・スタジオを歩き回りヒントはないかと探していたところコンソールに1053という数字があることに気付き、これでは少し短すぎると新たに「8」を足して「10538」となった。

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All Over The World

Xanadu (1980)

ライブのオープニングソングはやはりこの曲だろう。Mr. Blue Sky と並んでフラッシュモブに数多く使われる曲でもある。曲中で世界中の都市の名前が出てくるがそこに混じっている有名でない都市「シャード・エンド」はイギリスのバーミンガム地区にある場所で、ジェフ・リンや他のメンバーが生まれ育った場所だ。

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Evil Woman

Face the Music (1975)

この曲は前作のコンセプトアルバム「エルドラド」の次に発売された「フェイス・ザ・ミュージック」に収録されている。このアルバムからELOは自主レーベルであるジェット・レーベルへ活動の軸を移した。ジェフ・リンいわくこの曲は史上最速で出来た曲だという。当初は単なるアルバムの埋め合わせ曲として作られていたというから驚きだ。アメリカ、イギリスの両国でヒットを記録した。

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Telephone Line

A New World Record (1976)

ビートルズのジョージ・ハリスンはこの曲がお気に入りで80年代、音楽活動から遠ざかっていたジョージが復帰を模索していた。妻がプロデューサーは決まったのかと聞くとジョージは笑ってジュークボックスを指差した。その時に流れていたのがELOのヒット曲「テレフォンライン」である。ジェフはジョージの復帰作を手掛け、それが史上最大のカムバックと呼ばれた「クラウド・ナイン」である。このヒットによりジョージは「世界一長い間ヒットを飛ばし続けた男」としてギネス認定されている。

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Xanadu

Xanadu (1980)

この曲は元々、オリビア・ニュートン=ジョン主演の映画ザナドゥのために制作された曲だ。映画としては酷評が多いが(実際、かなりひどいできだなのだが割愛。)映画の曲などを収録したELOとオリビア・ニュートン=ジョンのアルバムは大ヒットした。映画は商業的にも失敗したのにだ。特にアルバムのタイトルにもなったザナドゥ(この曲)はイギリスを含む5ヶ国で1位、ビルボードでも8位を記録している。アルバムとしてもイギリスで2位、アメリカで4位の大ヒットとなった。(1つめはオリジナルのオリビア・ニュートン=ジョン&ELOで、2つめは作者であるジェフ・リンによるものだ。二つの違いなどを感じてほしい。)

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Rain Is Falling

Time (1982)

タイムに収録されている雨をテーマにしバラードだ。タイムは「時間」をテーマにしたコンセプトアルバムでこの曲もジェフ・リンいわく「時の流れをコントロールしようとする科学者たちに向けた曲。だけど、曲の出来はとてもいいね。」と言っており、歌詞はタイムスリップして未来へやってきた男が、雨が降った日に窓から外の景色を眺めながら、かつて居た過去の時代と重ね合わせながら、過去の時代へ置いてきた恋人へに想いを馳せているといものだ。

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Wild West Hero

Out of the Blue (1977)

名作でありELOの絶頂期(1977年)にリリースされた2枚組の大作「アウト・オブ・ザ・ブルー」の一番最後に収録されているのがこの曲だ。とてもとても幻想的なバラードで始まり、後半になると転調しハードなロックブルース調に切り替わる。このアルバム「アウト・オブ・ザ・ブルー」は発売前の予約だけで400万枚を売り上げる大ヒットとなり、この曲もイギリスでシングルカットされ目論見どおりヒットした。

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Sweet Talkin' Woman

Out of the Blue (1977)

明るいフォーク・ロック調の1曲。元々は別のタイトルを持っていたが、キンクスに同名のヒット曲が存在することが分かり、歌詞に手直しを入れる段階で現在のタイトルに変更されたという経緯を持つ。シングルカットされアメリカで17位、イギリスで6位の大ヒットを記録した。ビートルズに多大な敬愛を抱くジェフ・リンのビートルズへの想いを感じる1曲だと言える。

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Waterfall

Face the Music (1975)

滝をテーマにした曲だ。

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When I Was a Boy

Alone in the Universe (2015)

2015年に14年ぶりに発表されたアルバム「アローン・イン・ザ・ユニバース」からシングルカットされ先行発売された曲だ。私も久しぶりに手にしたELOの曲だがとにかく歌詞が素晴らしい。最初はビートルズを思い出し、曲が終わる頃にはぐっと心にくる。自身の人生を振り返るかのような美しい詩に彼の時を重ねた声に、優しいメロディが重なる。1回だけでなく、2回、3回と聴くことでよりその良さがわかる曲だ。そして、(特にビートルズ・ファンの方は)この曲のPVを見ることを強くお勧めする。まずは映像と共に見て欲しい。そんな1曲だ。

アルバムとしてもイギリス(ロック&メタル)では1位、アメリカ(ロック)でも2位を記録する久しぶりのヒットとなった。アルバム全体でもイギリス4位、アメリカ23位を記録。正にELOの復活を印象づけるアルバムと言える。

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いかがだっただろうか。ここにはまだ入りきらないほど素晴らしい曲に溢れている。(個人的には短い曲ながら魅力に溢れるSecond Time Aroundが好きだ。)何よりいま聞いても古臭さを感じない。常に新しいのだ、そしてどこか懐かしさのような居心地の良さもある。ジェフ・リンという男はビートルズに憧れ、そして、意図してか彼らのそんなメロディを作り上げることができる。そんな一方で全く真新しいメロディを生み出したりと、とにかく最高のメロディメーカーであることは確かだ。

是非、興味を持ってもらえた方はELOの公式YouTubeチャンネルに多数の楽曲が公開されている(公開しすぎじゃないかというくらい多い、PVがない楽曲も多数アップロードされている。)のでそこからお気に入りの曲を探して欲しい。

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ELO とは

エレクトリック・ライト・オーケストラ(通称ELO)は1970年にイギリスで結成され、80年代までにかけて世界的な人気を博し、70年代のアメリカで最も多くのヒット曲を持つバンドである。ザ・ムーブのロイ・ウッド、ジェフ・リンを中心として、当時は珍しかったバンドにクラシックの要素を取り入れたバンドとしてスタートした。だが、ロイ・ウッドはセカンド・アルバム制作中に脱退し、その後はウィザードとして活動する。その後はジェフ・リンのバンドとしての色を強める。

バンドの顔であるジェフ・リンはELOのすべての楽曲を一人で作り、Don't Bring Me Down や Mr. Blue Sky、Xanadu など多数のヒット曲を生み出し、日本では特に電車男にも使われた「Twilight」などが有名(もしかしたらダイコン3で知っている人もいるかもしれない。)。80年中期になるとレコード会社との契約問題で活動は停滞し、リーダーであり曲のほぼ全てを作っていたジェフ・リンがこれに嫌気をさしてバンドを放棄したことでELOはその活動に終焉を迎えた。(他のメンバーがELO2を始めるが鳴かず飛ばすで離散。)

バンドを離れたジェフ・リンはその後、大ファンだったビートルズのジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スターのプロデュースを手掛け、ビートルズのアンソロジー・アルバムでもプロデューサーに起用され「5人目のビートルズ」と呼ばれた。他にもトム・ペティ、ロイ・オービソン、デル・シャノンなどをプロデュースしている。1988年にはジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、トム・ペティにロイ・オービソンらと共に伝説の覆面バンド「トラヴェリング・ウィルベリーズ」を結成した。

左からボブ・ディラン、ジェフ・リン、トム・ペティ、ジョージ・ハリスン、ロイ・オービソン。

ジェフリンは活動停止から30年余りがたった2014年にグループで長年メンバーであったキーボードのリチャード・タンディと共に活動を再開。2015年には14年ぶりとなるアルバムを発表、2017年の6月には久しぶりのツアーを開催する予定。2017年にロックの殿堂入りを果たしている。

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NOW WATCH:フリン前大統領補佐官は虚偽の証言を行なっていた